NPO法人縁 設立について

1.設立の趣旨

 近年わが国では心の病気や精神障がい者が増加しており、患者数は全国で約300万人を超えています。また、高齢化に伴い認知症高齢者も年々増加し、全国で270万人と推計されています。統合失調症やうつ病、アルコール依存症、発達障がい、認知症等の病気や障がいのほかに、ひきこもりや不登校、育児不安や児童虐待、自殺等が社会問題になり、多様な支援が求められています。 しかし、社会復帰や地域生活を支援する在宅ケア体制は、まだまだ不十分です。さらに、釧路地域は広域で、精神科医療機関も少なく交通アクセスも不十分であり、障がい者や高齢者が安心して生活できるためには、生活の場に出向く保健・医療・福祉サービスのいっそうの充実が必要です。  私達は、病気や障がいを抱えながらも地域社会で孤立せず、その人らしく心豊かに暮らせることを切に願い、当地域でまだ充足されていない訪問看護事業など医療・看護を中心とした地域生活支援を担います。医療を中断しがちであったり、受診方法がわからない、生活の充実感が少ない等の方々に対し、主治医や保健・福祉機関、行政等と緊密に連携しながら相談・支援を行い、日々の生活の質の向上をめざします。  広く市民に呼びかけ、誰もが気軽に利用できるサービスを提供し、心の健康問題を持つ方々に対する偏見をなくし、地域全体のメンタルヘルス向上に貢献する啓発活動を併せて行うなど幅広い活動を行うために、特定非営利活動法人を設立したいと考えます。


 2.申請に至るまでの経過
 
 およそ10年前から、精神科看護師や保健所保健師が、当地域での訪問看護の必要性について話し合っていたことが発足のきっかけとなりました。実際には、平成22年7月22日を第1回として、
その後10回の設立準備会を重ね、平成23年4月6日設立総会を開催した結果、特定非営利活動法人縁を設立することを決定しました。

 
平成23年4月9日                          
特定非営利活動法人 縁  理事一同